湯村温泉&夢千代の里
「湯村温泉」は岸田川の支流、春来川のほとりに湧く日本屈指の高熱温泉で「湯けむりの郷」とも称し、1981年のNHKドラマ「夢千代日記」(吉永小百合主演)のロケ地として有名になり、それ以来「夢千代の里」とも呼ばれるようになりました。
「湯村温泉」は、兵庫県北西部、日本海側の山陰地方に位置し鳥取県に接する地域で、南部は「氷ノ山・後山・那岐山国定公園」に指定され、扇ノ山を中心に山岳が連なり、上山・畑ヶ平の高原地帯、霧ヶ滝・小又川渓谷などはブナやトチの原生林に覆われており、豊かな自然環境に囲まれています。
「湯村温泉」の歴史は、今からおよそ1150年前に慈覚大師によって発見されたと伝えられており、元湯は「荒湯」と呼ばれ98度の高温泉が毎分470リットルも湧出しています。
「荒湯」で温泉たまごを茹でる観光客の姿は、湯村温泉独特の風景をつくり出しています。
また、深いボーリングをせずに温泉が湧出しており、需要量に比べて湧出量が豊富なので、旅館だけでなく各家庭にも配湯され、湯村の生活に欠かせないものになっています。
泉質はナトリウム、炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性・中性・高温泉)で無色透明で、その効能は、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・疾病・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進・きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱体質・慢性婦人病・動脈硬化症などです。
飲用利用では、慢性消化器病・慢性便秘・痛風・肥満症に効果があるといわれています。
ph7.29の弱アルカリ泉で肌に優しく、湯上り後はさらっとしていつまでも身体の芯からぽかぽか、肌はつるつるします。
提灯に描かれている「傘踊り」は、「海上傘踊り」のことで、徳川末期、山陰地方が大干ばつに見舞われたとき、困った農民たちが雨を求めて色々な祈願をする中で、五郎作と言う老農夫が、三日三晩冠笠をまとって狂い踊りの悲願をたてたところ、満願の日に大雨が降り出し、飢饉から脱したといわれ、それ以来、盆踊り行事として伝承され、今日のような長柄の絵模様傘や踊りとなりました。
傘に大小240余りの鈴を付け、2人1組となって、2分の1拍子の曲に合わせて踊ります。
約5種類の曲があり、勇壮活発な舞いは、湯村温泉の観光名物となっています。
提灯にもうひとつ描かれているのが、湯村温泉の温泉保養施設の「リフレッシュパークゆむら」の正面に設置された西行法師の碑文です。西行法師が湯村温泉を詠んだと言われている歌が刻まれています。
JR「浜坂駅」から「全但バス」で約25分。「湯村温泉」下車。