柳川
福岡市街から車で約1時間の柳川は、2キロ四方、延長60kmに渡って網目状の堀割が巡らされた水郷です。
約410年前柳河城築城のおりに、城下町を形成するために人工的に堀を掘って整備されました。
その堀割を「どんこ舟」で回る「川下り」は、柳川観光の名物で、船頭の舟歌と心地よい水音を聞きながら、およそ4kmの堀割を約1時間10分かけて巡ります。
ここには現在、200艘を数える「どんこ舟」があり、町のいたるところで舟が行き交う光景や、船頭が「どんこ舟」を水洗いしている様子を見る事ができます。
川下りが始まったきっかけは、昭和29年(1954)に公開された映画『からたちの花』。
柳川出身の詩人、北原白秋の少年時代を描いた長谷健の小説が原作の作品で、柳川で撮影が行われました。
映画に登場した川遊びが注目を浴びたことを機に、柳川市は2艘の「どんこ舟」で観光客向けに川下りを始めたのがきっかけで現在に至ります。
西鉄柳川駅近くの乗船場から「柳川藩主立花邸 御花」、沖端までを巡る内堀コースが一般的ですが、柳川城の土居の景観が残る外堀コース、逆方向に行くコースや短縮コースなど、時間や都合に合わせて選ぶこともできます。
川下りの途中には2カ所の水上売店があり、ジュースや酒、つまみ、ソフトクリームなども販売しています。
また運が良ければ「花嫁船」も見る事ができます。
「花嫁舟」は週末を中心に年間100組以上の利用があり、すれ違う舟から祝福の拍手が贈られる光景を見る事ができるかもしれません。
12月になると、「どんこ舟」はこたつを乗せた「こたつ舟」に衣替えします。
こたつで暖をとり、雪景色を眺めながらのお堀めぐりも風情があります。
2月初旬から4月初旬の「柳川雛祭り(さげもんめぐり)」の期間中は、堀割に「さげもん」と呼ばれる吊るしびなが飾られ華やかになります。
西鉄「柳川駅」から徒歩3分。