新日本三景「三保松原 」
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新日本三景「三保松原」の片面提灯です。
向かって左側には羽衣伝説の謡曲「羽衣」の歌詞一文
♪あれ天人の羽衣は舞を舞い舞い帰り行く♪
が富士山と松原を背景に記されています。
一方、左側には羽衣伝説の天女が羽衣をまとい、
天に昇っていく姿と松の絵が描かれています。
ここでの羽衣伝説について、簡単に解説すると、
三保のとある漁師がいつものように釣りに行くと、
松の枝にいい香りのする美しい衣がかかっていたので、
それを持って帰ろうとすると、天女があらわれ
『それは私のです。お返しください。それがないと天に帰れない』と言います。
そこで漁師は『舞いを見せてくれたら返そう』と言います。
天女は『羽衣がないと舞を踊れません』と言います。
漁師は、羽衣を返したら、そのまま飛んで行ってしまうのではないかと疑います。
すると天女はそれを察し、
『疑いは人間だけのもの。天人に疑いというものはありません』と言います。
漁師は急に恥ずかしくなり、羽衣を天女に返します。
天女は、羽衣を身にまとい、舞を踊りながら天へと帰っていきます。
提灯そのものは劣化で色あせをしていますが、
大きな破れや穴はありません。
元箱はありません。
また、前オーナーの記載した
60 6 23の文字が、
裏面の火袋下部に記載されています。