魔除沖縄
「魔除沖縄」の提灯です。沖縄で魔除けと言えば「シーサー」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?実際に沖縄のお土産などにもシーサーを使ったものが多いです。また、沖縄県民は魔除けとしてシーサーを屋根の上に設置していることも多いです。
「シーサー」は、実在動物ではなく、伝説の獣で、「獅子」(ライオン)を沖縄の言葉で発音したものです。
「シーサー」を設置する場合、守りたいものを背にして災いが侵入してくるであろう方向に向かって設置します。
1体のものもあれば、2体対になっているものもあります。2体対のシーサーはオスとメスのペアで、口が開いている方がオス、閉じている方がメスです。諸説あるようですが、口を大きく開いた「あ」から始まり口を完全に閉じた「ん」で終わる、仏教の「阿吽(あうん)」を表現しているともいわれています。
どこに置いてある「シーサー」も同じように見えますが、実は、置く場所によって3種類のシーサーがいます。
3種類とは、「宮獅子」「村落獅子」「家獅子」の3種類です。
「宮獅子」は、お城や神社、お寺、お墓などに設置され、魔除けよりも権威の象徴としての意義が重視されています。琉球王朝時代に優れた彫刻技術で造られた石製で、左右に対で置かれているものが多く、沖縄にシーサーが伝わった初期の頃のものです。現存しているものは少なくなっているようです。
「村落獅子」は、村や町を守るために、集落の入り口や高い場所に置かれている石獅子です。悪霊の侵入や火災を防ぐ守護神として、対ではなく一体のみで置かれ、沖縄本島南部の村落に集中しています。
「家獅子」は、王府や村を守る役割だったシーサーが、個人宅を守る役割として明治時代以降に民間に普及したのが家獅子です。「家獅子」は、置く場所によって更に「屋敷獅子」「屋根獅子」「門獅子」に分類されます。