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高野山&奥の院①

  • 弘法大師開山 高野山

弘法大師開山を冠する「高野山」を正面に、裏面に「奥の院」を描いた両面提灯です。
正面の「高野山」の文字の上下にはシャクナゲの花があしらわれています。このシャクナゲの花は高野町の町花です。

向かって右側には芭蕉の句「父母の しきりに恋し きじの声」と共に石童丸物語の刈萱道心と石童丸が描かれています。これは、高野山奥の院の先にある刈萱堂に因んで描かれていると思われます。

石童丸物語とは、石童丸が生まれる前に京へ出家した父に会う為に母と2人で京へ行くことから始まります。
石童丸の姉は手作りの衣を父にあげてくれと石童丸に持たせました。ところが石童丸の父は高野山に移っていました。
高野山は女人禁制です。石童丸は母と別れ1人で高野山に登り父を探しました。親切なお坊さんが父は死んだと教えてくれました。石童丸が山から降り母にそう伝えると母は嘆き亡くなりました。石童丸は高野山に登り、親切なお坊さんに衣をあげて、母を弔ってもらいました。苅萱関に戻ると姉も死んだばかりでした。
1人になっってしまった石童丸は高野山に登り、親切なお坊さんに弟子にしてもらいました。親切なお坊さんは本当は石童丸の父で、正体を知られたくありませんでした。石童丸の父はその後、長野の善光寺に去ってしまったという話です。

一方、向かって左側には根本大塔が描かれています。根本大塔は、高野山・壇上伽藍の中心であり、高野山全体の修行の場としての中心であり、そのまたさらに中心となる場所です。

その根本大塔の頭上には寺紋が二つ描かれています。「五三の桐」と「三頭右巴」(さんとうみぎどもえ)の寺紋です。
「五三の桐」は、豊臣秀吉拝領の青厳寺の寺紋。「三つ巴」は、高野山の鎮守・丹生都比売神社の家紋です。一般に寺紋は、一つですが、金剛峯寺はこの二つで寺紋とされています。いわゆる神仏習合の象徴的なイメージかもしれません。