紀州路
「てんてんてんまり てんてまり てんてんてまりのてがそれて どこからどこまでとんでった かきねをこえて やねこえて おもてのとおりへとんでった とんでった」
と提灯にあります。
この歌は、作詞が西條八十で作曲が中山晋平の「鞠と殿様」という歌です。
この歌は、全部で5番まであり、ここには描かれていませんが、2番、3番、5番で「紀州」という言葉が出てきます。
3番では「もしもし 紀州のお殿さま あなたのお国の みかん山 わたしに 見させて下さいな 下さいな」。
そして5番では、「紀州はよい国 日のひかり 山のみかんに なったげな 赤いみかんに なったげな なったげな」とあります。
この歌は、手毬が転がって行って、殿様の大名行列に加わり紀州へ着くと、手毬がみかんに変わってしまうという内容ですが、実は裏には恐ろしい真実が隠されているという話もあります。
それは、大名行列の際に、手毬が行列の前に転がり、それを拾おうとした女の子が無礼者として斬られ、手毬に魂が乗り移り、殿様の駕篭の屋根に乗って紀州に行き、血で真っ赤に染まったみかんになったという裏話です。