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戸隠山「鬼女紅葉」

  • 戸隠山「鬼女紅葉」(正面)
    戸隠山「鬼女紅葉」(正面)

戸隠山「鬼女紅葉」の提灯です。
「鬼女紅葉」とは、長野県の戸隠地方で伝わる
「紅葉伝説」に登場する女性の名で、
平維茂によって退治されたといわれる伝説上の鬼女です。

話は古く、平安時代に遡ります。
子供のできなかった会津の夫婦が
第六天魔王(他人の楽しみを自由に奪い自らの物とする事が出来る)
に子供が欲しいと祈り続け、遂に願いが叶い女の子を授かりました。
その女の子こそが後の「紅葉」で、呉葉と名付けられ育てらえました。
呉葉は、美しい大人の女になり、
その姿ばかりか、読み書きや和歌も上手で、
こと、琴に関しては天才的に上手だったと言います。

やがて呉葉の評判が高まったことで、
親子三人は村を出て京都に行くことにしたのです。
この時、呉羽は名を「紅葉」と改め、
京都ではお琴を教えるようになりました。

そんなある夏の夕方、源経基(みなもとのつねもと)の奥方が
四条河原に涼みに来ていた時に、
美しい琴の音が聞こえ、それを気に入り、
紅葉は経基公の奥方の一番女中になりました。

しかし、その紅葉の事を経基が寵愛し、
遂には経基との間に紅葉は子供を授かったのです。
そうなると奥方が邪魔になった紅葉は
奥方が病気で死ぬように第六天魔王に祈りました。
それを僧侶が発見し、紅葉たち親子は信州戸隠に流され、
荒倉山の岩屋に住むようになりました。

罪人として流された紅葉だったのですが、
その地で持ち前の美しさだけでなく、
妖術を使って病人を治したり、
裁縫や琴を教えたりして一躍人気者になりました。
すると紅葉はこんな片田舎でくすぶっているのが嫌になり、
また京都へ行こうと考え始めるのです。

その噂を聞いた天皇は、
「鬼女紅葉を退治せよ」という勅命を
平維茂(たいらのこれもち)に言い渡します。
平維茂は、幾度か兵を出しますが、皆失敗。
遂には自ら出兵し、鬼女紅葉を退治するのです。

提灯は劣化で黄ばみが出ていますが、
大きな破れや穴はありません。
元箱はありません。