川湯硫黄山&摩周湖
「川湯硫黄山」と「摩周湖」の両面提灯です。「川湯硫黄山」は、北海道弟子屈町にある火山です。アイヌ語で「アトサヌプリ」、裸の山と呼ばれていて、川湯温泉の源として有名です。明治初期から昭和30年代にかけては、硫黄を採掘する鉱山として利用されていました。当時、硫黄はマッチや火薬の原料として需要が高まっていた鉱物で、近くでは雌阿寒岳や知床硫黄山でも採掘が行われていました。この硫黄採掘によって、ほぼ未開の地であった弟子屈・釧路を含めた道東の産業が急速に発展しました。
「川湯温泉」は、屈斜路湖と硫黄山の間に広がる北海道有数の温泉地です。湯量が豊富で、溢れた湯が川に流れ出し、もうもうと湯気が立ち昇る姿や、硫黄の匂いは、いかにも温泉らしい風情です。泉質は、強酸性硫化水素を含む、含鉄泉、含銅鉄泉、明ばん泉で、釘を浸けておくと酸化、腐食してしまうほど強い酸性の温泉です。
殺菌作用が高く、硫黄成分による保温効果もあるため、湯治場として古くから親しまれてきた歴史があります。
「川湯温泉」からほど近いところに、世界有数の透明度を誇る「摩周湖」、日本最大のカルデラ湖である「屈斜路湖」、噴火口が間近で眺められる「硫黄山」といった、阿寒国立公園を代表する北海道の自然景観を楽しむことができます。中でも、提灯のタイトルでもある「摩周湖」は、日本一の透明度を誇り、世界でも2位の透明度です。「摩周湖」の水が透明なのは、この湖に注がれる川が存在しないことが挙げられます。川によって余計な養分を含んだ水が注がれないため、不純物がほとんどないことが要因のようです。その透明度は、1931年に41.6mと、当時は世界一を記録しましたが、現在は20m前後のようです。しかし、それでも、バイカル湖についで、世界で2番目に透明度の高い湖になっています。
かつて、「摩周湖」では、ニジマスの養殖も試みたのですが、プランクトンなどの栄養分がないため、魚も育たなかったと言います。カムイシュ島(中島)と呼ばれる小島もあり、「摩周湖」のキレイな水の独特の深い青色は「摩周ブルー」と呼ばれますが、大雨が降っても、年間を通じて水位の変動が少なそうです。また、「霧の摩周湖」という歌に代表されるように、年間100日ほどは霧が発生しています。
JR「川湯温泉」駅から「屈斜路バス」(JR摩周駅前行)で約10分、「大鵬相撲記念館前」下車、徒歩5分。
JR「摩周駅」から「摩周湖バス」で(摩周湖第一展望台行)で約25分、「摩周湖第一展望台」下車。