狩勝峠
狩勝峠(かりかちとうげ)は、北海道空知郡南富良野町と上川郡新得町の境界にある峠です。
道路の峠の標高は644mとありますが、提灯には633mと記されています。
1907年(明治40年)に国鉄十勝線の落合と帯広間が開通し、狩勝峠付近には狩勝信号場が設置されました。
落合から新得の間は狩勝峠を超えることから「狩勝線」とも呼ばれ、信号場から十勝寄りにある狩勝トンネルを抜けると眼下に雄大な十勝平野が一望できることから篠ノ井線の姨捨駅付近、肥薩線矢岳駅付近とともに「日本三大車窓」の1つに選ばれたことはあまりに有名な橋です。
更に、1927年(昭和2年)には室戸岬、十和田湖、雲仙岳、木曽川、上高地、華厳滝、別府温泉と共に「日本新八景」にも選定されました。
提灯に記されている「新日本八景の一つ」というのが、つまり「日本新八景」のこで、このサブタイトルはどこから来たのかというと、かつて根室本線旧線(通称狩勝線)の線路脇に「狩勝峠 新日本八景の一」という標柱があったことから描かれたものだと思われます。
このように、「三大車窓」や「日本新八景」などに選ばれながらも、残念ながら1966年にこの区間は新線に切り替えられることで廃線となってしまいました。
2019年現在、鉄道ではこの車窓を楽しむことはできませんが、バスであれば、往年の車窓とほぼ似たような車窓をみることができます。
その方法の一つは、旭川と帯広の間を結ぶ高速バス「北海道拓殖バス」による「ノースライナー号」に乗車して狩勝峠を通過する方法と、更にもうひとつは、たまたま2016年夏の台風被害で、根室本線の東鹿越と新得の間が不通になったことで「代行バス」に乗って狩勝峠を通過するという方法です。
どちらも国道38号線の狩勝峠を通過するので、そのまま当時の三大車窓とまでは行かないまでも、往年の雰囲気を味わうことはできると思います。
また、代行バスに限って言えば、青春18きっぷなども使えるので、代行運転がされている今こそがチャンスかも知れません。
最後に、提灯にある「狩勝峠の歌」とは、浜浩二さん作詞作曲で長坂与一さんという歌手が歌った歌です。