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岩手路&南部藩

  • 岩手路
    詩情ゆたかな
    岩手路

「岩手路」とのコンビの提灯にも色々ありますが、こちらの提灯は、「南部藩」と表裏した提灯です。
提灯には「南部鉄器」と「チャグチャグ馬コ」が描かれています。

「南部鉄器」は、岩手県で作られている鉄器のことで、大きく分けて江戸時代の南部藩に所属していた盛岡市の「南部鉄器」と、岩手県の南部に位置する奥州市の「南部鉄器」があります。
それぞれに異なった歴史がありますが、一般に「南部鉄器」というと、盛岡市で作られた鉄器のことです。

「南部鉄器」で作られた道具は、鍋、釜、風鈴、燭台など、さまざまな鉄器がありますが、中でも有名なのが、普段の生活はもちろん、茶道、茶の湯にも欠かせない「鉄瓶(てつびん)」です。
南部鉄瓶は、南部藩第28代藩主 南部重直が、京都の小泉仁左衛門清行を招いて領地の高品質な鉄で茶釜を作らせたことから始まりました。

当初は、注ぎ口や取っ手が付いていない茶釜が製造されていましたが、便利でおいしい湯が沸かせる道具として改良されるうちに取っ手や注ぎ口がつき、現在の鉄瓶の形となりました。

一方、「ちゃぐちゃぐ馬っ子」の由来は、岩手は馬の産地で、盛岡周辺の南部曲り家では、馬がとても大切にされ、人と馬が同じ屋根の下に住んでいたそうです。
そのように大切にされた馬だからこそ、旧暦の5月5日端午の節句は、馬の無病息災を祈る祭日として、この地方では、どの家でも愛馬を金銀紅紫の装束で飾り、馬の守護神である駒形神社の本尊「蒼前さん」に、朝露を踏んで詣でるのが習わしでした。

馬につけた大小の鈴の音が、朝空にチャグチャグとさわやかに鳴り渡るところから、この祭りは「チャグチャグ馬コ」と呼ばれるようになり、今では岩手の代表的な伝統行事となったのです。
現在では毎年6月第二土曜日に催されていますが、昔ながらに滝沢村の蒼前神社に詣でた後、行列をして盛岡八幡宮に詣でるようになりました。
民芸品「チャグチャグ馬コ」は、この祭りから生まれたものです。