法隆寺 Part1
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法隆寺の提灯です。
向かって右側には柿の実のなった柿の木と法隆寺の五重塔が、
一方、左側には夢殿が描かれています。
五重塔とはそもそも
5つの楼閣を、下から順番に
地(基礎)、水(塔身)、火(笠)、風(請花)、空(宝珠)
の五大思想を表現しているものであり、仏教的な宇宙観を表しています。
そんな五重塔の中でも、法隆寺の五重塔は、日本最古の五重塔で、
すべて檜で造られ、心柱と呼ばれる、1本の柱によって、
土台から上まで貫かれています。
また、その工法は、積み上げ構造と呼ばれる工法で
各重ごとが独立して組み立てたもので、
地震の揺れを吸収し、簡単には倒れないようになっています。
ちなみにこの工法は、現在の東京スカイツリーにも生かされているそうです。
また、提灯にも描かれていて、
一度は日本人なら誰でも耳にしたことがある
「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」の句ですが、
これは正岡子規が上京する時に、法隆寺に立ち寄り、
その場で詠んだ秋の句だと言われています。
鮮やかな秋の色をした柿と、美しい秋空の下に広がる法隆寺
その抒情的な情景と荘厳な時の鐘の音を句に含め、
人の五感を刺激して秋を感じさせる名句だと言われています。
一方、左側に描かれた夢殿は、
聖徳太子を供養する堂として建てられた堂です。
八角円堂という造りも、
円堂が故人を供養する堂の形であるというところに由来しています。
そういう意味もあって、内部には聖徳太子所縁の遺品が集められています。
ちなみに、夢殿と呼ばれるようになったのは平安時代になってからのことで、
聖徳太子が、夢の中で黄金でできた人(仏)に出会ったという伝説から
名づけられたのだといわれています。