襟裳岬
「襟裳岬」と言えば、森進一さんの歌で有名です。北海道の背骨と呼ばれる日高山脈が次第に標高を下げ、そのまま太平洋に沈んでいく、壮大な大自然のドラマを実感できるのが襟裳岬です。長年に渡って荒波に洗われているにもかかわらず、遠く2km沖まで岩礁地平等が続く光景は感動的です。平成22年8月には、アイヌ民族の精神的・聖地的に重要な場所であるとして、国指定の国指定文化財「名勝ピリカ・ノカ(美しい 形)」に指定されました。
「襟裳岬」から点々と続く岩礁地帯は、海流も早く水中に隠れた岩もあることから、たとえ小舟であっても人聞が近づくことが難しく、逆に人間にとって危険な場所であることから動物たちにとっては楽園で、望遠鏡などで見ると、体に小銭のような模様があるゼニガタアザラシの群れが、のんびりと日光浴をしている姿をしばしば見ることができます。
「襟裳岬」の展望台の横には2つの歌碑があります。1つ目は1971年に島倉千代子さんの歌「襟裳岬」を町名改称した記念として建立されました。もう1つの歌碑は1997年に「風の館」が建設され、森進一さんが来町した際に記念として建立されました。同じ場所に同名異曲の2つの歌碑が並んで建立されているという他では見ることができない珍しい光景を見ることができます。これが提灯にも描かれています。
襟裳岬は、風速10m/秒の風が吹く日が260日を超えます。わが国では有数の強風地域で、時には、風速30m/秒以上になる日も珍しくありません。「風の館」は、その強風を活かした風のテーマ館で、館内には、えりもの強風を体感するコーナーなどを設置。ガラス張りの屋内展望室からは、野生のゼニガタアザラシの姿や季節ごとに表情を変える岬の風景をのんびり眺めることができます。
「襟裳岬灯台」は、北海道えりも町の襟裳岬先端に立つ白亜の大型灯台で、「日本の灯台50選」にも選ばれています。沖合で暖流と寒流がぶつかり合い、年間100日ほど海霧が発生するため、海の難所といわれる襟裳岬一帯を航行する漁船や貨物船を見守っています。
JR「様似駅」から「JRバス」(日勝線)で約1時間、「えりも岬」バス停下車。
JR「帯広駅」から「十勝バス」で約25分、「広尾」で下車。乗継で「JRバス」(日勝線)で約1時間、「えりも岬」バス停下車。