越後しばた
|
越後しばたの片面提灯です。
向かって右側には足軽長屋、
左側には新発田城が描かれています。
右側に描かれた足軽長屋は新潟県新発田市の観光名所で、
清水園の真ん前にあり、
江戸時代の新発田藩の足軽の長屋形式の住居で、
当時のままの姿の八軒長屋は、歴史的にも貴重な存在です。
木造茅葺きの質素な建物は、
当時の足軽たちの暮らしぶりを感じさせてくれます。
一方、左側に描かれた新発田城は
別名「あやめ城」とも呼ばれ、
初代新発田藩主溝口秀勝が慶長3年(1598年)に築城し、
3代宣直の時に完成しました。
新発田城は一般に多くある山城とちがって、
政治・経済の中心として交通の便利さを考え、
平地につくった平城です。
石垣がすき間なくかみ合うようにきちんと積まれる
「切込はぎ」と呼ばれる美観を重視した技法でつくられ、
北国の城特有の海鼠壁は全国的にも珍しいものです。
提灯そのものは比較的良好ですが、
小さな穴があいているのと、
うっすらと色あせした感じに
薄汚れが付着しています。
また、専用の化粧箱はありません。
他の提灯と違って、
弓の形状が折り畳み式ではなく、
1本ものなのも珍しいです。